第1章 出会い ★
第一章 出会い
「…ふっ……あぁっ……」
声を出すまいと必死に堪えていたのに、出てしまった。
裸の男が私に覆いかぶさって、腰を動かしている。
「ククク…お前のその顔が逆に燃え上がらせるんだよ。観念して素直に反応すればいいのに、いつまでたっても学習しねぇ奴だ」
そう言って男はさらに激しく私に腰を打ち付けた。
感じるもんかという思考とは裏腹に、快楽の波が押し寄せる。
「あっ…んんぅ……」
また、絶頂を迎えてしまった。今日で何度目か、もう数えるのもやめた。
体が勝手に痙攣する。
熱いものが私の中に注がれた。
男も果てたようだ。
ドンドンドン
息を整えていると、ドアを激しく叩く音がした。
「船長!!大変です!急な嵐で貨物室がやられました!」
ドアの外から声がする。
「…すぐ行く」
男は立ち上がり、だるそうに服を着る。
「チッ、せっかく楽しんでたのによ。また夜たっぷり可愛がってやるよ」
そう言い残し、男は部屋を出て行った。
早く…自由になりたい…
そう思って男が出て行ったドアを見つめた。
「!?」
鍵が…開いている!!
2年間、1度も開け放しにされたことのなかったドアが、開いている。
私がここ最近逃げるそぶりを見せなかったからだろうか、それともひどい嵐があの男を動揺させたのか。
理由はともかく、こんなチャンスは2度とない。
ひどい嵐なら、海に飛び込んでも気づかれない。
誰にも見つからずに甲板まで出られたら、私の勝ち。
あとは運に任せよう…
決心した私は、脱ぎ散らかされた白のワンピースを身に纏い部屋を飛び出したーーー