第15章 勝者と、敗者と(オムニバス)
◆◇黒子視点
僕らは決勝戦で緑間君のいる秀徳高校に勝ちました。
緑間君は相変わらずシュートを外しませんね。高尾君には僕のミスディレクションが一切通用しませんでしたし、序盤は苦しい展開でした。
途中火神君が独りよがりな部分を見せたときは本当に困りました。正直イラッときました。
勝てばいい。――そんな考えは彼らと同じです。
みんなで勝利を勝ち取りたい。それがチームスポーツであるバスケの醍醐味だと思います。
できることなら、彼女に伝えたい――
バスケは決してくだらなくはない。
無駄な努力なんてない。
どうかその事に気づいてほしい。