第4章 付き合うということ
申し送りが終わって、担当の患者さんの部屋を回る。
呼ばれてないのに、なぜか顔が見たくなる。
ノックして返ってくる声で、患者さんの表情がわかったりします。
「どうぞ」
「失礼します。千代さんどう?」
内科には、基本的にお年寄りが多い。
千代さん。いっつも笑顔で、私のおばあちゃんみたな患者さん。
「今日はとっても調子がいいわ~。天気もステキよね~」
この、最後の伸びが、なんだか好き。
「午後の検査終わったら、外に散歩に行こうよ」
ちょっと寒いけど紅葉が綺麗な秋。
千代さんはいつも秋を待ってる。
「えぇ、楽しみ」
にっこり笑う千代さんのほっぺにはえくぼができる。
かわいいです。