第3章 恋人はあなただけ
やっと仕事が終わった。
「お疲れ~」
「お疲れ様でした」
挨拶してから私服に着替えた。
外に出る途中、お手洗いに寄って服装をチェックした。
似合うかな、なんて考える。
ていっても、あんまりおしゃれしたことないから水色のカーディガンに白のスカート。
「ありがちすぎたかな」
髪は短いから楽だったりします。
その時、いきなり携帯が鳴った。
二宮さんだ!
見られてもないのに姿勢を正した。
『もしもし?』
この優しいトーンは、間違いありません。
「二宮さん」
とろけそうな耳に携帯を寄せた。