第2章 アイドルと看護師
「誰?」
ナースステーションの休憩室にて、まさかの二宮さんから電話がきた。
そっか、櫻井君、まだ番号残してたんだ。
「あ、知り合い。ご飯行く約束してたの、忘れてて」
「あらら」
本当にあららだよ。いくら緊急事態とはいえ、二宮さんとの約束を忘れるなんて!
女の子として、許される?
そういえば、二宮さん、
『あおさんにしか言わせない言葉』
って言ってたっけ?
なんだろなんだろ。私だけ・・・。
ちょっと楽しみ!
しかもあのアイドルにお迎えにまで来てもらえる。
ドキドキして、仕事に集中できません!
「葵、なににやけてるの?」
冷めた目で見られた。
ほらね、やっぱり集中できないよ。
二宮さんのせいです。