第2章 アイドルと看護師
「あ、の、二宮です」
なに緊張してるの。俺らしくない。
『うわ!二宮さんだ』
「ははっ」
あおさんの声で緊張がぶっ飛んだ。
なにその声、やっぱりおもしろいよ。
『あ、葵です』
「はい、知ってます」
今、私すごい笑顔なんでしょうね。
機械を通したあおさんの声でも、こんなに愛しく感じてる。
「今、大丈夫ですか?」
『あー、はい。今は。っていうか、そちらこそ』
看護師となるといつ大丈夫かわかりませんね。
しかも、あんな人でも看護師なれるんだ。
そう思うと、また笑ってしまった。
「電話、あれから来ないから、こっちからかけましたよ。翔さんに頼んで」
・・・・・・・・・・。
しばらくの間。
『あーーーー!!!』