第15章 長ーい幸せ
「式を、挙げるのか?」
お父さんが恐く言ったけど
それは声だけで
今にも泣きそうになってる。
「式は、もう少し待ってください」
「籍だけにしておく」
お母さんは、泣きそうなお父さんにティッシュを渡した。
ただそれだけで、何も言わない。
「まともじゃなくて、すみません。
でも、お願いします!」
和也君と一緒に頭を下げる。
「幸せに・・・できるのか」
お父さんの声で頭を上げた。
「うちの大事な一人娘だ。幸せにできるのか」
お父さんの真っ直ぐな視線に
和也君が真っ直ぐな視線で返した。
「します。幸せにします」