第12章 小悪魔さんと子猫さん
「こんにちは、馬場さん」
「よぉ!葵ちゃん」
馬場さんがいつもより元気なのは
昨日久々にお孫さんが遊びに来てくれたからだそう。
「お孫さん、いくつなの?」
「もう中学二年だな」
「へー」
そう言うと、また馬場さんに何か悟られた。
「葵ちゃんこそ、どうだ」
「え?」
「彼氏だよ。いい感じなんだろ」
「さすが馬場さんだ」
まぁ、人生長いからな、と笑った馬場さん。
「いい感じというか、
最近私の仕事の事情で会えてなくて・・・」
「んなもん気にせんでええよ」
あっさり笑って飛ばされた。
「女だって事情があるだろ。
男を寂しくさせたなら、会ったとき甘くしてやりゃ。
男は単純だぞ。意外とな」
人生の大先輩の言葉で
和也君が頭に出てきた。
「今日、電話してみる」
「ん」