第11章 必要な存在
「ニノ。俺、ニノなら日向を幸せにしてくれるって思ったんだ」
怒ってるかと思ったのに
大人な声で翔さんが言った。
「黙ってたのはごめん。
でも、お願いだから、あいつを一人にしないで」
真っ直ぐに俺を見てくれる
翔さん・・・。
「俺、あおさんを傷つけた」
「バカか」
「へ?」
黙って野菜炒めを食べてた潤くんが
いきなり突っ込んできた。
「傷つけた?なに悲劇な男の子演じてんだよ。
30にもなって勘違いすんな。葵ちゃんが好きなんだろ?」
潤くんは同い年とは思えないオーラがある。
「ニノだって、葵ちゃんとこんな関係、望んでないでしょ?」
大野さんが優しくいうから
泣けてくる。
「そうだよ。『愛は勝つ』って」
あいばかまで・・・。