第10章 今日で昨日にさようなら
「なんで、黙ってたんですか。
好きになっちゃ、いけなかったかもしれないのに!」
「そんなことは」
「馬鹿じゃないですか、俺。
翔さんの、彼女だった人を・・・俺」
気づけばよかった。
仲間の、元カノに
恋をするとか、
最低だ、俺・・・。
怒りが腹の底から込み上げてくる。
翔さんの下を向いた姿にさえ、
腹が立った。
相葉さんの歌が、終わりを迎える。
「くっそ」
「ニノ」
「俺・・・俺」
「ニノ!」
手から血が出るくらい握りしめた拳が
震える。
「俺じゃ、日向を幸せにしてやれねぇんだよ」
翔さんが泣きそうな顔で言った。