第9章 知るべきことが傷
「入って」
「お邪魔します」
ミニテーブルを挟んで、座った。
なんか緊張。
「あお。櫻井君のこと、言った?」
「いや、まだ」
「なに?翔さんのこと?」
何かに安心を覚えたのか
櫻井君と付き合ってたことを
話した。
「そうなんだ」
「いつかは、言わないといけないとは思ってるんですけど」
「恐いのね」
何に怯えているのかもわからない。
だから、余計恐くて。
「でも、ニノのことだし。
最初は子供みたいになるかもだけど
そのうち戻ってくるよ。絶対」
「このまま、言わないでおくの?」
松本さんと知恵ちゃんの言葉で
少し肩が軽くなれました。
「翔さんが言わないのは
まだ、葵ちゃんが好きだからかな」
松本さんの言葉に、
私は動揺しなかった。