第10章 休憩時間
「ねぇ、この人どうして2人の人としてるのかなぁ」
「あーん?そんなもん俺が知るわけねぇだろ。確認してみれば良いんじゃねぇか?」
景吾は少し面白がるような顔をしてる。
「ほらよ」
動画を巻き戻しの再生すると、一応ストーリーがあるようだった。
2人の幼馴染の間で揺れる女性。
さらに実のお兄さん?に迫られてそのまま…
「なんか、流されやすい女の子だね…」
「バーカ、こんなもんに大したストーリーなんてねぇだろ」
「そうなの?普段こういうの見てるの?」
じっと景吾を見ると、景吾は余裕のある笑みではなく少し照れて視線を外した。
「忍足の受け売りだ」
「ふぅーん」
顔を見ているとぶに、と両頬を掴まれた。
「んむぅ」
「そういえば、さっきお前、この女のことうらやましそうに見てたな」
「は!?」
「ほぅら、よ」
首から外れたネクタイは私の両手首の自由を奪った。
おしりを掴むように触れられ、反射で「きゃ」と声が出た、そのまま身体を寄せられる。
「お前の大事な幼馴染と、セックスできるか?」
景吾の目は笑っている。
何時間眺めてもこの瞳に飽きないだろう。
私がサロメならたとえ景吾が私を愛さない次元があったとしても、その瞳をほしがっただろう。
「できるよ、景吾が望むなら、ね」
唇から力が抜ける。ほら、君といるだけで私は笑うことが出来る。
「さっきも言ったけど、私、景吾以外には犯されないの。身体も、心も」
「ふぅん」
アイスブルーの瞳は澄んでいるのに私の弱点は見抜かない。
ゆっくり身体を撫でられ、反応して肌が震えた。
「景吾、なんか悪いこと考えてる?」
「いや、楽しいことなら考えてるけどな」
ああ、意地悪そうな表情で笑ってる。
景吾があんまり楽しそうにしているから、私はそれに乗っかることにした。
それがどんな提案かも聞かずに。