第3章 過去
「キャプテン・・」
「うちはマネージャーも18名いる、まとめる者が必要だからな。キャプテンと呼んで区別している」
「わかりました、よろしくお願いします」
「よろしくね」
キャプテンはにこりと笑った。
ジャージを抱え、更衣室へ行くと面接を通った同級生と合流した。
二人組や3人組が多く、皆一様に目をきらきらと輝かせていた。
着替え始めると「皆着替えながらで良いから聞いてねー」とキャプテンが話し始めた。
「我が氷帝学園の中等部公式テニス部では、部員が毎年200名程になります。マネージャーは現在18名です。マネージャーにも普通部員のマネージャー、準レギュラーのマネージャー、正レギュラーのマネージャーがいます。」
少し更衣室がざわつく。
「はい、静かにしてくださいね。氷帝学園のテニス部は、毎年好成績を残す、中学でも有数の強豪校です。そのためマネージャーの質も問われます。」
先輩は話続ける。
長い髪をポニーテールにすると少し気が引き締まった。
若は生徒会長に下剋上すると意気込んでいたけれど、200名もいる部員の頂点に立つあの綺麗な人に、勝てるんだろうか。
その前に、長太郎と若はレギュラーになるのにどれくらいかかるんだろうか。
「マネージャー希望の貴方達には、今日からマネージャーの仕事を学んでもらいます。マネージャーはいわゆるサポートをする側です。選手の状態、記録、怪我の応急措置、やることはたくさんあります。雑用に耐えられない方は今の時点で辞めておいた方が良いと思います。」
40人ほどいた更衣室から、1人、また1人と女の子が出ていく。
マネージャーの仕事の意味、分かっていなかったのかな。
「もういいですか?一旦雑用は大丈夫ですね?」
先輩がきょろきょろと確認する。
「では点呼します。今日は先輩マネージャーについて、雑用も手伝っていただきますが、、テニス部の様子を案内をします。もちいろん部員達も新入生が多いので、少し勝手が違うところもあると思いますが、やる気のある人は早く仕事を覚えてもらえると助かります。」
キャプテンは2つ違うだけなのに、とても大人に見えた。私の身長も早く伸びたらいいのに。