第1章 先輩と私
耳を喰んで頭に手をやり髪を撫でる。
気持ちイイ時の顔と、苦しそうな時の顔は似てる。
「ね。我慢、し、な…いで…」
「してねーよ」
ゆっくり挿入ってきたのに、そのまま容赦なく奥を突かれ一瞬息が止まる。
「ふっ…うっ…ああっんっ…」
「くっ」
ああ、その顔、とっても好き。
眉間のシワをなぞるように触れると景吾と目が合った。
アイスブルーの瞳がこちらを見つめている。
好き。
表情が和らぐ。
「やけに、素直じゃねーの」
あ、声に出てた。
「うん」
私の深いところに景吾がいる。
「く、あ、 そんな締めたら…」
「イッてよ…我慢しちゃ、いや…っ」
「してねーって」
大きく腰が動きまた快楽の波が押し寄せる。
「ふっ…あっ…」
「あっんんっ…」
「くっ、出す、ぞ」
「んっ…景吾ぉっ」
「野薔薇っ」
唇が落ちてくる。熱い。
「あああっ」
「んっ」
ドクドクと景吾の熱が中で弾けるのを感じ、私の中がびくりと痙攣した。
労わるような優しいキスに応えると景吾が身体を起こした。
「んああっ…」
景吾が私の中から出て行く感覚。切ない。
分かっているのか、抜いた後、景吾はすぐに私にキスをする。前髪に触れて、額にもキスをする。
腕を広げると、景吾が意外そうな顔をした。
ぎゅ、と抱き締められる。身体の重さが心地良い。
「本当、事後はやけに素直だな」
「うるさいよ…」
身体を起こすと景吾がティッシュで私の脚の間を拭った。
「ふぁ、ああんっ」
「あんまりデケェ声出すな、またやりたくなっちまうだろーが」
「さっきは声出せって言ったくせに」
「お前なぁ」
顔は笑っている。
ショーツを探すと景吾が履かせてリボンを結んでくれた。
「ありがと」
「ああ」
代わりにネクタイに手を伸ばす。
「結んであげる」
「ああ」
私の大好きな俺様男。
ネクタイを結んでいると背中を撫でられた。
「あっもう、集中出来ないからやめて」
「じゃあこっちに集中したら良いだろ」
指先が首に触れて顎を持ち上げる。
「ん」
ちゅ
甘い気持ちが積み重なる。
「ほら、買い出し行くぞ」
まるで何もなかったみたいに部室のドアを開ける。
私は慌てて消臭スプレーを振りまき、換気扇のスイッチをオンにしてから部室を後にした。