第2章 O×S
S side
朝日がキラキラと差す、
翌朝。
「こらっ、智っ!」
「は、はい…」
「座りなさいっ!正座っ!」
午後からの仕事だなぁと思いつつ体を起こすと
…いてててて。
同じ場所で縛って固定されてたから、
凝った両手脚。
手首足首にうっすらと残る跡。
これも愛の跡なのかな、と思ってみても
なんだか先に起きた智が
コソコソしてるのが気に入らなくて、
説教することにした。
「何か言うことは?」
「しょ、翔ちゃんごめんなさいっ!」
智が涙目で俺を見上げる。
「昨日何回ヤったの?」
「…ご、5回…」
「5回!?」
茶吹いたわっ!
え…
「だってぇ…」
「言い訳はいりません!!」
「ごめんなさい…」
俺、4回目までしか意識無かったぞ…
ふぅ、と溜め息をつくと、
…ほぼほぼ泣きそうな智。
「ぁ~もう泣かないの!」
「ぐすっ…だってぇ…しょーちゃんが…
さとのこと…っく…きらいになる…
やだぁ~…」
待て。
待て。
どこから出てきたその幼児キャラ!!
か、かわいいぞっ!
「嫌いなるとか言ってないだろ?」
正座の智を抱きしめれば
またまた涙うるうるしている智と目が合って。
「ふぇ…しょーちゃーん、さとのことっ、
…きらっいじゃ、ないっ?」
ガチで泣いてる智も可愛くて
愛しくて
昨日のオトコっぽいところとの
ギャップが好き…
「智のこと、大好きだよ?」
「っ…さとも、しょーちゃんが好きっ」
俺の胸に顔をうずめる智が
いつになく可愛くて
いつか抱いてみようかな。
end