第7章 マスキングテープ
松本side
「一緒に暮らそうか…?」
「…へ?」
「嫌…?」
智の言葉を頭よりも先に感情が理解して
ポロッと涙が零れた
「い、嫌じゃない…っ」
智の胸に顔を埋める俺を正面から抱き締めてくれる
「俺で…いいの…?」
嬉しくて…でも少しの不安もあって…
涙で滲む視界で智を見ると
「潤がいいんだよ…」
そう言って涙を拭ってから
目尻にキスを落としてくれた
「潤こそ、ほんとに俺でいいの…?」
「智じゃなきゃやだ…」
「愛してるよ、潤…」
「俺も…あいしてる…」
ぎゅっと抱き締めあって幸せを伝えあう
「年末進行終わったら、新居探そうな」
「うん…」
忙しい年末進行を終えても
引越しで忙しくなりそうだったけど
智と一緒に過ごすための忙しさなら
いくらでも頑張れる気がした
抱き締めあっていた腕を解くと
自然と視線が絡んで
智の唇が近づいてくる
目を瞑ると
ふわっと唇が重なって…
甘い…甘い…キスだった