第6章 マグネット
大野side
出前のチラシを見ながら、なんでもない会話をして微笑み合う。
こんな時間を潤と持てるなんて、夢みたいで。
油断すると泣きそうになる。
でもそんなのハズカシイから絶対泣かない。
腰をだるそうに擦ってるのを見て、出前が届くまでの間に潤の腰をマッサージした。
そんなちゃんとしたことはできないけど、ちょっと強く擦るくらいならできる。
潤をソファに寝かせてさすっていたら、気持よかったのか潤は寝てしまった。
出前が届いて潤を揺り起こすと、恥ずかしそうに俺の顔を眺めた。
「ん?どうした?」
「夢じゃなかった…」
そう言って俺に抱きついてきた。
「ばか…こんなリアルな夢あるか…」
「うん、そうだね…」
くすくす笑いながらちゅっとキスをすると、身体を離した。
ちょっと寂しそうな顔をするから、また愛おしさがこみ上げてくる。
「食べたらまた、な…」
「うん…」
チャーハンとラーメンを二人でわけあって食べて。
あーんとか…こんなの初めてだぞ…
食べ終わったら、潤を抱き寄せてソファでぼーっとして。
こんな幸せな時間がいつまでも続けばいい…
いや、続けていくと。
そう誓った。