第6章 マグネット
大野side
松本くんの身体の熱に抗えず、中に放ってしまった。
二人の荒い息が部屋に響く。
身体をベッドに投げ出すように松本くんは脱力していた。
「大丈夫か…?」
「はい…」
ゆっくりと潤んだ瞳が俺を捉えた。
「お…おのさん…すきです…」
息の合間になんとか発せられた言葉に、身体が熱くなった。
「俺も…好きだよ…松本くん…」
汗に濡れた額にキスをすると、松本くんは嬉しそうに微笑んだ。
「うれ…しい…」
そう言って両腕を伸ばして俺の身体を引寄せ抱きしめた。
「大野さん…僕の、もの…」
「うん…」
「僕の大野さん…」
「うん…」
だんだん、泣けてきて…
松本くんと思いが通じあったのが嬉しくて…
身体を繋げることができたのが嬉しくて…
こんなに想いが通じたセックスが気持ち良いこと、今まで知らなかった。
松本くんに、教えてもらった…
「…泣いてるの…?」
「泣いてない」
「だって…」
「泣いてない」
ぐいっと腕で目を拭うと、もう一度松本くんを抱きしめた。
「好きだ…潤…」
「えっ」
一瞬驚いた顔をしたけど、潤は真っ赤になって…
そして、天使みたいな顔して微笑んだ。