第6章 マグネット
大野side
小さく頷く松本くんは手をギュッと握って衝撃に備えた。
ごめんな…もっと本当は時間をかけたかったんだけど…
もう俺、余裕ない。
抱えた足をぐいっと松本くんの胸の方に倒すと、腰を進めた。
「あああっ…おーのさっ…まって…」
「痛い…?」
「ちが…あ…もうちょっとゆっくり…」
「ごめん…ごめんな」
半分ほど一気に入ってしまって、松本くんに無理をさせてしまった。
汗を流しながら、必死に動かしたいのを耐える。
「う…ぅ…」
違和感に耐えるように松本くんの口からうめき声が漏れてくる。
足をベッドの上に膝を立てて乗せて身体を乗り出して、松本くんの頭を腕で抱えた。
そのまま顔中に唇を這わせてキスしていった。
「…息、吐ける…?」
「んっ…はぁ…」
大きく息を吐き出して必死で身体の力を抜いてくれる。
少し緩んだそこに腰をぐいっと進める。
「ん…大野さ…」
「なに…?」
気持よくて気持よくて…めちゃくちゃに動きたい。
でも、松本くんが気持ちよくないと意味がない。
耐えろ…俺…
「う…いて…」
「え?」
「お願い…動いて…ください…」
身体に火がついたように訳がわからなくなった。