第6章 マグネット
大野side
唇を離すことができない。
ぽてっとした厚い唇に何度も啄むようなキスをすると舌を絡ませ吸い上げる。
松本くんの甘い声が零れた。
それだけで俺の身体の芯は燃えるように熱くなる。
シャツのボタンをすべて外し終わると、手をシャツの中に滑りこませた。
あの日温泉で触れた背中の滑らかな肌…
そっと脇腹を撫でると、赤い尖りに手を這わせた。
「あっ…大野さん…」
顕になった肩に唇を付けると、またびくりと松本くんの身体が揺れた。
「…気持ちいい…?」
囁きながら肩から首筋を辿るように唇を滑らせた。
「ふっ…ん…やぁ…」
手の甲を口に当てて、必死で漏れる声を抑えてる。
そんな姿が堪らなくかわいい。
「かわいいよ…松本くん…」
尖りを指で弄びながら、松本くんの頭の後ろに手を入れてまた唇にかぶりつく。
いくらキスしても足りなかった。
もっと欲しい…もっともっと松本くんが欲しい…
「ごめん…嫌だったら言ってくれよ…?」
そう言って、松本くんのベルトに手をかけた。
一瞬泣きそうな顔で俺を見たけど、きゅっと目を閉じた。
そのままベルトを外すと、トップボタンに手をかけてファスナーを下げた。