第4章 別路
[花代]
出発の前日―
「花代!」
「幸助!?」
「お前、城にあがるんだってな。何も言ってくれなかったんだよ!」
「ごめんなさい…」
「…なんだよ。いつもはそんな素直じゃないくせに…」
「なによ!失礼な!」
「アハハ。怒るなよ。冗談だ。それにしてもお前があ幼馴染みの俺に何も言わずに行くような薄情な奴だったとは思わなかったな。」
「だって…」
(別れを言うと悲しくなるからなんて絶対に言えない)
「だってなんだよ?俺と別れるのがそんなに辛いのか?」
(ふざけたように幸助は聞いたきたけど、図星だ…)
「そんな訳ないじゃない。むしろあんたみたいなのと別れられて清々する!」
「そうか。じゃあ、もうさっさと行けよ。これもいらないんだな?」