第2章 友達になろう
『…千歳くんはだいぶ手馴れてとるね…』
「何が?」
『何でもない…ほら、はよ行こうや!』
教室に着いて、千歳くんは私の前の席に、私は千歳くんの後ろの席に座った。
相変わらず千歳くんの大きな背中が目に入る。
…………
そして放課後。
『千歳くん、ちゃんとテニス部行くんやで?』
「あはは!さん真面目やね!」
鞄を準備しながら千歳くんはそう言った。
『だって白石くんがすごく大変そうやもん。私に出来ることやってあげたいの!!ほら!はよ急いで!』
「もう準備ば出来ちょるよ。今から行くったい。」
『ほんま?じゃあ頑張って!!』
「うん。ならね。」
『う、うん?じゃあね〜!』
(…ならねってどういう意味だろう…)
その疑問だけ残して、千歳くんは教室から出た。
『…さてっ…!日誌書かんと!』
私はもう誰もいない教室の自分の席に座り直した。