第5章 project:birth ※R-18
四日目にはオーガズムを感じる余裕も生まれた。
バスルームの冷たい壁に体を押し付けられて
乳房を鷲掴まれ、後ろから激しく突き上げられると
意識を失いそうになるほどの快感が沸き起こって、
私は嬌声を上げて応えた。
最早、見られていることは何の問題にもならなかった。
五日目から六日目にかけてはほとんど裸で過ごし、
覚えていない程肌を重ねた。
何度も何度も、彼の精を体内に受け、
数え切れない程達した。
彼がいなければ、
生きていけないと思う程の恍惚感を覚えた。
七日目、最後の日は、
ほとんど繋がったまま過ごした。
食事も、排泄も、入浴も。
体を繋げたまま唇を重ねると
それだけで私は達した。
七日目が0時を過ぎた時、一回目の実験は終わった。
私はクリニックへ移されて
健康診断と精神鑑定を受け、経過観察となる。
排卵誘発剤を服用していたが、
私は妊娠していないことを望んだ。
そうすればまた、カインと過ごせる。
単純な発想しか出来ないほどに私の思考は爛れていた。
検査の結果、私は妊娠していた。
史上初の、SCPと人間の交配成功、なのだろうか。
一部始終が記録に残されたのは
少なくともこれが初めてのことだろう。
私は嘆き悲しんだ。目的が達成されたならもう、
カインに会うことは無いのだろうと、
心のどこかで思っていた。
事実、クリニックへ移されてから
私の周囲の環境は劇的に変わり、
毎日複数の検査や質問を代わる代わる人員を変えて行われ、
カインに会いたいなどととても言える状況になかった。
この財団は、冷淡なものなのだ。
胎児の成長は通常よりもかなり早く、
私は悪阻に苦しめられた。
野菜を受け付けず、チーズを好むようになった。
特に羊や山羊の乳で作られたチーズ。
殺菌されたそれらのチーズと少しの肉を食べられる。
その事実が、自分は彼の子供を身ごもっているのだという
安心感をもたらした。
彼に会えなくとも、彼の子は此処にいる。