ふらたーなる *Fraternal* 【気象系BL】
第4章 舞賀家物語 1
夕飯のあと、いつもみたいに学校の勉強でわからないところかあったからじろちゃんに聞こうと思ってお部屋に行ったんだけどじろちゃん、いなくて…。
お風呂かな?って思ったからいつもみたいにじろちゃんのベッドに座って待つことにしたの。
じろちゃんのお部屋、ちょっと寒かったからお布団かぶったら、じろちゃんの匂いがして…。
気がついたら寝てたの。
お風呂上がりのじろちゃんに起こされて、それで宿題のこと思い出して、聞こうと思ったけど…。
「ごめん、今日はさぶくんに聞いて。
俺、やる事あるから…。
一応、これでも受験生だし」
そう言ってそのまま部屋の外に出されたんだ。
こんなこと初めてで僕、凄く驚いて…。
「待って!じろちゃん!」
「ごめん!」
そのまま扉は閉じちゃって…。
さぶちゃんに聞きに行くこともせず自分の部屋に戻った。
じろちゃん、とっても怖いお顔してた。
僕…じろちゃんのこと怒らせたのかなぁ…。
じろちゃんに嫌われちゃったのかなぁ…。
「じろちゃん……」
名前を呼んだって答えてくれる声も、慰めてくれる手のひらもなくて…。
1度流れ始めた涙はどうやっても止まらなかった。