第11章 10月10日
「その力、まさか風魔の…?」
男は私をじっと見つめて呟いた。
「まだあまいな。」
そう言った男の目が紅く染まった。
(万華鏡写輪眼!?)
その目をみた瞬間私は地面に倒れていた。
『おばあちゃん、何で死んじゃったの?』
私は泣きながら棺桶の横に立っていた。
「ルミ、仕方なかったのよ。だってね、お母さんはおばあちゃんのこと、大嫌いだったんだもん。」
いつの間にか現れた母が優しい声でそう言った。
「おばあちゃんはね、お母さんが殺したの!」
母が狂喜じみた声でそう言うと景色が変わった。
「お父さん、私のお姉さんと浮気してたの。だから、もう、一緒にはいられないの。」
車のなか母がくらい声で言った。
その後も、景色は何度も変わり嫌な映像が流れた。
『もうやめて!』
私は気持ちが悪くなり叫んだ。
「ルミ、ルミ!」
懐かしい声がしたと思ったら映像が消え、目の前に母が、ルカがいた。
変化の術はいつの間にか解けていて、母が私を抱きながら名前を読んでいた。
辺りはすでに暗くなっていた。
「どうしてこんなところに…。」
目を覚ました私に、母がそう言ったとき、地面が揺れた。
「今はそれどころじゃなかったわね。ルミ、避難するわよ!」
母はそう言うと私を抱き上げて駆け出した。
母の腕のなか、私は変わり果てた里を見た。
すでに九尾の封印は解かれてしまっていた。
『ママ!』
ふと、瓦礫の下敷きになっている忍びを見つけた私母をよんだ。
母はそれに気付くと、私をおろして忍びを助けに向かう。
忍びを瓦礫の中から救出した母は急いで私のもとへ戻ってくる。
その時、私に向かって九尾の尾が降り下ろされた。