第43章 終末での始まり
『ヤッホー、ナルト。
この姿で会うのは……久しぶり、かな?』
私は振り返ってそう言った。
「……やっぱルミなんだな……、もう会えないと思ってたってばよ…」
ナルトは私を見て言う。
『まぁ、私は死んだことになってたからね。』
私がそう言うとナルトは下を向いた。
「……ルミ、里に帰るってばよ!
それで、今度はそのままの姿で木ノ葉で暮らすってばよ!!」
ナルトは顔を上げるとそう言った。
『……ナルト、私は大蛇丸の所に行く……木ノ葉には…帰らない。』
私がそう言うとナルトは目を見開いた後悲し気な顔になった。
「……何で…何でだよ……ルミっ……
オレの知ってるルミはそんなんじゃなかった!何でそんな風になっちまったんだよォ!」
そう叫んだナルトの顔は今にも泣き出しそうだった。
(ゴメン、ナルト。)
私は誰も悲しませたくないのにこれからナルトたちを悲しませるのだ。
(でも、それは全て最後に皆が悲しまないため!)
ナルトたちを強くするためにも、これから先の悲劇を起こさないためにも、この悲しみは必要だった。
『……私が流に変化していることに気づかなかったくせによく言うよ。』
私はそう言うとナルトを冷たい目でみた。
ナルトは唇を噛むと下を向いた。
「……確かに、オレは流がルミだって気づかなかった……
流はアカデミーで会ったときはイケ好かないヤローで……でも、同じ七班になって、誰より優しくて、仲間思いで……何処かオレの初めてできた友達に似てる奴だって思った……」
ナルトは下を向いたまま拳を握りしめる。
「……流はオレの中で大切な仲間になってたんだってばよ!
流がルミだって気が付かなかったけど、そんなのかんけーねぇくらい、流もルミも大切な仲間だってばよ!」
ナルトはそう言うと顔を上げた。
その目は真っ直ぐに私を見ていた。
(……そっか…ありがとう、ナルト。)
ナルトの言葉に私は心の中でお礼を言った。