第43章 終末での始まり
sideールミー
棺桶が弾けて、私は久しぶりとも感じる光を浴びた。
身体を見下ろすと、それは呪印に包まれていて力が沸き上がって来るのを感じた。
風が吹き、銀色の髪がなびいて、髪の色まで変わっていることに気づいた。
「……ルミ?」
戸惑ったように名前を呼ぶ声が聞こえ、振り返ると、サスケが唖然と私を見ていた。
「ッ!?」
私と目が合うとサスケが息を呑んだのがわかった。
(後戻りは出来ない……木ノ葉を離れたくはないけど、私には変えたい未来がある!)
私はすぐにサスケから視線をそらすと近くにたっていた長髪の男に近づいた。
(君麻呂だ……)
前世の記憶が男の正体を私に教えた。
君麻呂の隣に立つ頃には、体を覆っていた呪印はいつの間にか引いていて銀色に変わっていた髪の色も黒に戻っていた。
「ルミ!」
ナルトが叫ぶ声が聞こえて、私はナルトを一瞥した。
(ナルト……流の正体をが私って知ってどう思ったかな……)
そんなことを考えながらも、黙って私をみている君麻呂に話しかけた。
『君麻呂だよね。私はルミ。
君は地の呪印なんだね……私の天の呪印と対だ……』
私がそう言うと、君麻呂はおかしなものを見る目で私を見下ろしてきた。
「……ボクの命はもうじき終わるがな……」
君麻呂はそう言うと私から視線をサスケたちに移した。
『君麻呂、取引しよう』
唐突に切り出した私に、君麻呂は眉根を寄せた。
『君麻呂の大切な大蛇丸の所に私が行く代わりに、私のモノになって!……その命、私にちょうだい?』
私がそう言うと、君麻呂は目を見開いて驚いた。
君(大蛇丸様の器は大蛇丸様同然か……
それにどうせボクはもうじき死ぬ……)
「……もう尽きる命だ。良いでしょう」
君麻呂の返事を聞いた私は瞳を万華鏡写輪眼に変えた。
『その言葉、忘れちゃ駄目だよ?』
(オホゲツ!)
私は君麻呂の身体を凝視した。
(何これ……
身体中に病が巣食ってる……
まるで癌だ……)
私は驚きながらも君麻呂の身体を治療した。