第40章 父の巻物
「……あ、オレそろそろ火影様に呼ばれてるから……」
私と話していたカカシは、ふと思い出した様にそう言うと立ち上がった。
『……忙しいのに失礼しました。
…………今日は先生と話せて良かったです!』
私がそう言うとカカシは笑った。
私はカカシにお礼を言ってカカシの家を出た。
時間はちょうど昼時。
私は目的もなく里を歩き回った。
木ノ葉は私の中で漫画の中ではなく、自分の故郷になっていた。
里を歩き回るうちに、いつの間にか日がくれていて、私はアパートに足を向けた。
アパートに帰る途中、私は気配を感じて振り返った。
「……さすがですね……ボクの気配に気が付くとは……」
振り返った先には、眼鏡をかけた男が立っていた。
『……薬師カブト……』
私は男の名を呟いた。
「……流君、……いやルミちゃんと呼ぶべきかな?
……大蛇丸様の命令で君を迎えにきた。
今からボクと一緒に来てもらう。」
カブトはそう言って眼鏡のブリッジを指で押す。
『……急ですね……
私にも準備があります。
……明日の夜まで待って下さい。』
私がそう言うとカブトは、困ったね…、と呟く。
「……明日、ボクは迎えには来れないんだよ。
時間もないし……だからといって君を力付くで連れていくにも無理がある……」
カブトはさほど困っていない様子でそう言う。
『……明日の夜、それくらいなら時間はありますよね?
明日の夜、里の門を出たところで音の四人衆でも迎えに寄越してください。』
私がそう言うと、カブトはため息をついてそれを承諾した。
「……明日夜、それ以上は待てないよ?」
カブトは、絶対に明日の夜来るように私に確認を取るとその場から姿を消した。
私はカブトが消えるとアパートに戻った。
(……まさか、今日迎えが来るなんてね……しかもカブトだったし……)
私は原作との違いに焦りながらも何とか四人衆が迎えに来るように出来たことを安堵し、その日は眠りについた。