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第40章 父の巻物


富士風雪絵の護衛,護送任務を終え、雪の国から木ノ葉の里に帰ってきた翌日、私達朝早くにアパートを出た。

私は八年前に出た我が家に向かっていた。

父が死んでから八年、アカデミーを卒業して一年が立っていた。


私は久し振りにうちは一族の敷地に入る。
懐かしい道を、味わうようにゆっくりと進んで行く。

『……懐かしい……』

私は7年間過ごした家の前で呟いた。


中に入ると、空き家独特の匂いがした。
家の中に入ると、全ての場所で、父や母との思い出が甦った。


私は自分の部屋まで行くとタンスに手を伸ばした。

中には幼い頃の服のほかに、母が張り切りすぎて買ったアカデミー用の服や忍服が入っていた。


私は変化の術を解くと忍服に袖を通した。

『……ちょっと大きいよ……』


アカデミー時代、あまり背の延びなかったせいか、私は母の予想より成長していないようだ

『……12才の時に着るはずの忍服がこれって……』

今は14なのにと何となく空しくなった。

私は新しい忍服のまま父の部屋に向かった。


『……父様……』

私は父の部屋に入ると呟いた。

父の部屋には、母の写真と私の写真が飾ってあった。

私は父の机に近くとあることに気付いた。

『……巻物……?』

机にはそれほど大きくない巻物、そして赤い石の様なものが置いてあった。

私は石を手に取り観察する。
石は血のように赤く美しかった。

私石を置くと、次は巻物を手にし、開いた。


『……これは……口寄せの契約書……』

私は巻物の中身を見て呟いた。

巻物には、ただ一人、うちはシスイの名が書かれていた。

私はそれを見ると、迷わず親指の皮膚を噛みきり父の隣に血で自分の名を書いた。

その後五指で血判をおす。

『……この巻物と石、何か関係あるのかな?』

私は右手で巻物を持ったまま左手で石を取った。

『……いたっ!』

その瞬間、左手に焼けるような痛みが走る。
私が手を開くと、左手の平には口寄せの術式が刻まれていた。


私は石を父の机に戻すと巻物を持って父の部屋を出た。

『……これ、巻物と同じ口寄せだよね?』


私は呟き、自分の部屋まで戻った。

そこで、巻物と、母の買ってくれた忍服を何着か持ってきたカバンにしまう。

私は今着ている忍服を来るときに来てきた忍服と着替えようと裾に手をかけた。




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