第39章 雪の国と春
「ドトウ!覚悟するってばよ!」
ナルトがそう言ってチャクラを練り始める。
"ピシッ…………パリン"
チャクラの制御装置が耐えきれずに破壊された。
「影分身の術!」
ナルトは影分身をすると、チャクラを手に集めながら駆け出した。
「氷遁・黒龍暴風雪<コクリュウボウフウセツ>!」
ドトウの手から黒い氷の龍が出現する。
「螺旋丸!」
ナルトの攻撃がドトウの術を相殺した。
「ぐっ、クソ…」
ドトウはナルトを睨むと、再び印を結んだ。
「氷遁・双龍暴風雪!」
ドトウが印を結び終えると、今度は地面から二つの氷の龍がナルトを襲う。
「くっ!
……螺旋丸!」
ナルトの螺旋丸で、龍は再び粉砕された。
だが……。
「キャァァァァァ!」
片方の龍はナルトではなく小雪に向かっていた。
「ネェちゃん!」
ナルトが叫び、小雪は目を瞑った。
だが、小雪に術が当たることはなかった。
龍は小雪の前で空間に飲み込まれていく。
そして、それは一度消えると再び現れドトウに向かって行く。
「グワァァァ!」
ドトウは自分の術を食らって地に伏した。
『術、かけといて良かった……』
私はそれを見て呟いた。
入れ替わったときに、小雪にかけておいた術のおかげで小雪は無事だった。