第39章 雪の国と春
sideーカカシー
『……私は役者なのよ!』
騙された。
俺はドトウに水晶を渡す小雪さんにそう思った。
『……そう……全ては芝居……』
だが、次の小雪さんの行動は俺を驚かせた。
小雪さんはドトウに小刀を突き立てた。
しかし、小雪さんはドトウに首を絞められ、そのままドトウと共に台から飛び降りた。
煙の中、ドトウは立ち上がり胸に刺さるナイフを抜いた。
俺はドトウを睨む。
ドトウは雪忍と同様、チャクラの鎧を纏っていた。
ドトウは倒れたままの小雪さんを抱えると飛び上がった。
俺は後を追おうとするが雪忍に邪魔をされる。
「まて!」
ナルトがそう叫んでロープを投げた。
(届いた!)
俺は小雪さんの腕にロープが届いたと確信した。
"パシッ"
だが、ロープは小雪さんによって弾かれる。
ニヤリ。
驚く俺たちに小雪さんが笑った。
その見覚えのある表情に俺は固まった。
「……ルミ?」
俺は心当たりの人物の名を呟いた。
「サスケ、ナルト、サクラ、流!お前たちは小雪さんとドトウを追え!」
俺はそう言うと雪忍たちに向き合う。
(おそらく、ドトウに拐われたのはルミだ!あれは流の姿をした小雪さんだ……)
俺はちらりと流を見た。
俺は護衛対象を逃がすために四人にドトウを追わせるふりをした。
(サスケ辺りが作戦に気付くだろう。)
俺は戦闘を始めた。
「氷遁・吹雪隠れ!」
ミゾレの術に視界が奪われた。
「火遁・鳳仙火の術!」
俺は火遁の熱で吹雪を消した。
辺りが水蒸気に包まれたあと、霧が晴れる。
「しまった!」
そこにはフブキとミゾレの姿がなかった。
「決着を着けようじゃないか……カカシ!」
残っていたナダレが笑った。
俺は額宛を上げるとナダレと向かい合った……。