第39章 雪の国と春
『……付いたか……』
私は飛行船が止まると、ナルトを連れていく男の後を追った。
男は、私に尾行されていることに気付かずにナルトを牢に入れその場を去った。
私は、まだナルトを助けることはせずに物陰に潜んで様子を伺う。
(あ、ナルト、気がついた……)
私はもごもご動き出したナルトを見る。
「……クソッ!力が入らねぇ……
……こんなことならもっと縄脱けの術の練習しとくんだったってばよ……」
ナルトはそう言うと、牢にぶら下げられたまま足を顔に寄せる。
どうやら、靴に仕込んであるカッターか何かを口で取り出しているようだった。
「……フヘヘヘっ!チャクラが使えなくたって何とかするのが忍者ってもんだってばよ!」
ナルトが得意気にそう言った時足音がした。
「……ん?」
ナルトもそれに気づいたようで、再び意識のない振りをした。