第37章 千鳥と螺旋丸
「サスケェ!オレの新忍術でお前なんかボッコボコだってばよ!」
ナルトはサスケに指を指すと叫んだ。
「……ふん、ドベが!やれるもんならやってみやがれ!」
サスケはそう言ってナルトを睨んだ。
「……こいよ?その新忍術とやら、見せてみろ!」
サスケはそう言って病室を出ていく。
「サ、サスケ君っ!」
サクラは慌てたようにサスケの後を追った。
(……サスケ……?)
普段だったらナルトを無視するサスケが今回は向きになったことに私は首をひねった。
(……そっか!サスケはイタチと会って、自分との差を見せつけられたせいで、急成長しているナルトに焦ってるんだ!)
私はハッとしてベッドからおり、裸足のまま駆け出した。
私は、開けっ放しの屋上のドアの前に、立ちすくむサクラを見つけた。
『……サクラ!』
階段をかけ上り私が見たのは、螺旋丸を発動させたナルトと千鳥を手に纏ったサスケがぶつかり合おうとしている瞬間だった。
"シュッ"
私とサクラの間を風が通った。
「……そこまでだ!」
そこにはサスケとナルトを突飛ばしたカカシが立っていた。