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第33章 紅い千鳥


「ルミ!飛雷神の術成功したってばね!」


中忍試験まであと3日をきった日、メンマたちと修行しているとメンマが私に飛び付いてそう言ってきた。
砂の里に手掛かりを飛ばしてから、まだ返事は来ていない。
私は焦りを感じていたが、今はメンマが飛雷神の術を成功させた事を喜んだ。


『やったね!メンマ!!』

私がメンマと一緒になって喜ぶと、メンマが更に笑顔になる。


「……目的が達成出来ていないのは俺だけか……」

それを聞いていた我愛羅が呟いた。


『……守鶴の口寄せだっけ?

あのさ、今さら何だけど、ここで尾獣口寄せしちゃったら大変なことになっちゃうよね……?』

私は今さらながらその事に気づいて、我愛羅か口寄せに成功しなかった事にほっとした。


「その事なら心配ない……

守鶴に狸に変化して口寄せされるように確認ずみだ。」


私は我愛羅のその答えに、しっかり考えていたのだと感心する。
だが、そこで口寄せが成功しない理由に思いいたった。

『ねえ、我愛羅……、口寄せが成功しないのって、その変化が理由じゃない?』


私がそう言うと、メンマが私もそう思うってばね、と同意してくれた。

『口寄せした瞬間に変化してもらえば?』


私がそう言うと、我愛羅は頷き、しばらくの間目をつむった。


そして、再び目を開くと同時に印を結ぶ。

「口寄せの術!」

ぼふんと煙が上がり、我愛羅の前に狸が表れた。


『……何か、成功して嬉しいけど、今までの修行はなんだったんだ?って感じだね…………』

私は狸を見ながら呟いた。

「………………」


我愛羅も何も言わず狸を見つめていた。
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