第33章 紅い千鳥
『ありがとうございます。』
私は気配が消えたのを感じると三代目にお礼を言った。
『テンゾウさん、どうせなら姿を見せてくれませんか?』
私はそう言ったが、テンゾウが表れる様子はない。
「……テンゾウ」
だが、三代目がテンゾウを呼ぶとテンゾウが姿を表した。
「……君はどうして僕を知っているのかな?」
テンゾウは三代目を守るように隣にたつと、穏やかな口調とは裏腹に殺気を向けながら尋ねてきた。
『何故でしょう?
……それより、今から話すことはお二人の秘密にしていただきたいのですが……』
私がそう言うと、三代目は考えるような顔をした。
『……もし、今から話す事を誰かに話す必要性を感じたら、お二人が信用する人にのみ話しても構いません。』
私がそう言うと、三代目はようやく頷いてくれた。
『ただ、第七班と同期には話さないでください。
……時が来たら自分で話すので……
特にテンゾウさん、はたけカカシに話さないと約束してください。』
私の言葉に三代目が頷いた。
「……約束しよう……」
三代目がそう言うと、テンゾウも頷いた。
それを確認すると私は二人に頭を下げた。
『……では、本題に入りますね?
お二人は、俺が大蛇丸に呪印をつけられたことを知ってますよね?』
私の問いかけに二人が息を飲むのが分かった。
『……俺は、自分から大蛇丸に呪印をつけられました。』
三「なんじゃと!?」
私の発言に、今まで黙っていた三代目が声を上げる。
『……落ち着いて下さい、それには理由があります。』
私は警戒を強めた二人にそう言うと話を続けた。
『大蛇丸は、サスケを狙っていました……
正確には、サスケのもつ写輪眼です。
だから俺は、サスケを助けるために大蛇丸と取引をしました。
俺に呪印をつける代わりにサスケの事を諦めると。』
私がそう言うと、二人は苦い顔をした後、何かに気付いて口を開いた。