第32章 中忍試験~第三試験予選~
「封印の法術まで扱えるようになったなんて……
成長したわね……カカシ」
俺が自分のベストを脱いで流にかけたとき、背後から声がした。
「……あんたは……」
振り向くと、そこには予想通りの人物が立っていた。
オ「お久しぶりねカカシくん……」
カ「……大蛇丸…」
オ「でも、悪いけどカカシくんに用ないのよ。
あるのはその後ろの子」
大蛇丸はそう言うと俺達にゆっくりと近いてくる。
「……何故流をつけ狙う……!」
俺がそう言うと、大蛇丸は不気味な笑みを浮かべた。
「フフ、どうやら流の力に気付いていないようねカカシくん。
その子はね、サスケくん以上に私の欲しいものを持っているのよ。
……まさか女の子だとは思っていなかったけど……」
大蛇丸はそう言うと、でも、力に性別は関係ないわね、と笑う。
「目的は何だ!」
大蛇丸の言葉を聞いて、俺は怒鳴る。
オ「最近できた音隠れの里……あれは私の里でね……
これだけ言えば分かるわよね……」
カ「下らない野望か……」
オ「まあ……そんなよーなものね……」
大蛇丸はそう言うと口の端を上げた。
オ「で、その為には色々……良いコマが必要なのよ」
カ「で、流もそのコマの一つって訳か……」
俺がそう言うと大蛇丸は笑った。
「違うわ。
……流ちゃんは優秀な手駒……
そして、今試験を受けているのは…………ただの捨て駒よ。」
大蛇丸はそう言うと俺達にさらに違いてくる。
俺はそれを見て、雷切りを発動させた。
「流にこれ以上近づくな!」
刺し違える事くらいなら出来ると俺が言うと、大蛇丸は笑いだした。
カ「何がおかしい……」
オ「すること言うこと―――全てズレてるわね。
そんな封印してもまるで意味ないわ。
彼女はいずれ私の元にくる。
仲間の為にね。
彼女は仲間の為になら己が闇に落ちることを何とも思っていないわ……
彼女の自己犠牲の気、ここまで来ると感心するわね。」
大蛇丸はそう言うと俺達に背を向ける。
「……それに…君が私を殺すんだって…………?
やって見れば?
できればだけど……」
そう言った大蛇丸が出した殺気に、俺は動けず立ち尽くしていた。