第5章 お留守番
ふと目をさますと、窓の外でイタチがクナイの手入れをしていた。
私は四つん這いで窓に近づくとその姿を観察した。
イタチはすぐに私に気付いたようで、クナイを片付けるとこちらに戻ってきた。
「起きたのか。」
そう言って微笑みかけてくる。
私はらコクりとうなずくと、イタチの忍具を指差した。
『おちぇいえ。』
お手入れと言いたかったがやはり舌ったらずになってしまった。
やはり通じなかったようで、イタチは首を傾げた。
『おていりぇ。』
もう一度言うと、先ほどより口が回った。
そして、イタチにも通じたようで、驚いたように私を見ていた。
「もう終わったから大丈夫だ。」
どうやら私が何を言いたかったかまで伝わったようで、そう言うと私の頭を撫でてくれた。