第26章 木登りとサクラと修行
その日の夜、タズナ家で食事をしていると、サクラが破れた写真についてたずね、イナリが席をたってしまった。
そして、イナリの父親についてタズナが話す。
やはり内容は原作通りで、悲しい現実がここにもあった。
私は食事を終えると散歩をすると言って森へ向かった。
『星に雪にす記憶に、君の足跡探す どうか永久の安らぎ 此所は夢の途中で……』
森に着くと、私は前世の世界の歌を歌った。
タズナの話を聞いて悲しくなり、悲しみを和らげようと歌う。
(綺麗な声じゃないの。流は声変わりまだなのか。)
後をつけて来たカカシは、気配を消してルミ
の歌を聴いていた。
ルミの歌声を、ルミが男だと思っているカカシは変声期前ゆえだと考えた。
ルミは歌うことに集中し過ぎて気付いていなかった。
知らず知らずのうちにチャクラを込めていたようで、私の周りを光の粒子が舞っていた。
私が歌い終えると、
光は広がってあちこちに流れていった。
『ただいま。』
私は気がすむまで歌い、タズナ家に帰った。
「お帰りなさい。」
そう言って迎えてくれたツナミさんは私が家を出る前より、優しい、どこか幸せそうな顔をしていた。