第4章 ごめん、でも……【神崎side】
「颯……!」
「何してんの、って聞いてんだけど」
「そ、その子が悪いんだよ!颯を叩いたから……!」
馬鹿らしい。
俺もこいつらも。
「俺が叩かれたからって、なんでお前らがこの子に手を出すわけ?」
「それは……!だって……」
「うっざいなぁ………」
初めてかもしれない。
いや、初めてだ。
女の子にそんなこと言ったの。
でも、止められなかった。
「早く消えろ。俺がまじでキレないうちに」
俺がそう言うと、彼女を取り囲んでいた女子達が屋上から逃げるようにして出ていった。
「先輩………?」
「あーあ………俺、もう女の子たちと遊べないかもね」
そう言って手を差し出すと、彼女が恐る恐る俺の手をとった。そして、にこりと笑った。
「そうですね」