第9章 わたしのこたえ。
ちかり、ちかり。
廊下を歩いていると、部屋の上についているライトが卑猥に光る。
「入れば?」
ドアを開けてくれた月島くんの後ろを追い、私も部屋に入った。
「よかったの?朝までにしちゃったけど。」
『うん…』
そうでもしないときっと私…
靴を脱いでいる月島くんの背中にぺたりと張り付く。
『一晩中、壊れるくらい抱いて。』
「じゃあ…」
くるりと私の方を向いた月島くん。
私の右手は引っ張られぽすり、胸の中に私の体は収まった。
「壊してあげる。」
耳をくすぐる甘い誘惑に心が震える。
月島くんはそっと私の身体を離すと先に進み、ソファに腰掛けた。
「抱かれたいなら、脱ぎなよ。」
嗚呼、私はこの『瞳』に弱い。
男の人なのに奮いたつような色香を発している、月島くんの眼が。
煌々と光る室内灯の明かりの中、私は月島くんに見つめられながらブラウスのボタンを外した。
袖を抜けばふわりと床に落ちるシフォン生地。
中に着ていたキャミソールも脱ぎ、床に落とす。
ベージュのパンティストッキングを先に脱ぎ、フレアスカートのホックを外せば身につけているのは下着のみ。
下着に手をかけようとするとその手を静止させられてしまう。
「どうして欲しい?」
そう告げる口元は弧を描き、瞳は細められている。
『月島くんがしたいように…して欲しい。痛くてもいい…から…』
きしり、
ソファが軋む。
月島くんは立ち上がり私に近づく。
ぐいと肩を掴まれ身体はくるりと反転する。
どんと背中を押され私の体はベッドに倒れこんだ。
体を起こそうとするとずしりと背中に重さが加わる。
後ろを振り返ればすぐ近くに月島くんの顔。
シュルッ
ネクタイを解く音が耳に響く。
体の重さが引くと両腕が引かれ後手で手首を拘束された。
そのまま月島くんは離れていく。
かちゃかちゃと何かの音が聞こえるが私には見えない。
かちゃん
金属音の後、何かが開く音。
ガサガサとビニールのような音。
何…?
動くことができない状況のまま月島くんが私の隣に座る。
「僕さ、風呂入りたいんだよね。だからさ…」
「ちょっとの間、”コレ”で遊んでて?梢…?」