• テキストサイズ

HQ商社 営業3課へようこそ!【HQ】

第9章 わたしのこたえ。




仕事が終わると、私は一人、会社を出る。

はあ…
ため息が口から漏れる。
考えても考えても出なかった結論。



私はどうしたらいいのかな…


「あれ?確か…黒尾のところの…椎名…だっけ?」

顔を上げれば泣きぼくろが印象的な可愛い笑顔がいつのまにか横を歩いている。

『すがわら…さん?』

菅原さんはにかりと笑うと私に問うた。

「今帰り?電車だったら駅まで一緒に行くべ?」

『はい。』

菅原さんは私の横に並び、一緒に歩き始めた。

「なあ、椎名?」

『なんですか?菅原さ…』

びろーんっ
菅原さんは私の頬を掴み左右に伸ばしにかかる。

『ひゅがわらひゃん?いひゃいれふ。』

「おー!椎名のほっぺはよく伸びる。」

楽しそうにほっぺを伸ばすものだから私もつられて笑う。
すると、菅原さんの笑顔が先ほどよりも輝いた。

「それ!やっぱり椎名は暗い顔より笑顔がいいな?」

キラキラの笑顔。


「なんか悩んでるみたいだけどさ、やっぱり女の子は笑顔の方がいいって。
悩んでるんだったら話聞くぞー?
話聞くついでに飯食いに行くべ?」


先輩だし奢るよ?
そう言われたけど、今日は用事があることを伝え、また次の機会にお願いした。


「じゃあ、連絡先教えて?」

私は言われるがまま、スマホを取り出しメッセージアプリのIDを教える。

「じゃあ、お疲れ様!」


改札をぬけ、ホームに向かいながら私に手を振る菅原さん。

やさしげな笑顔に心が温かくなった。


















「他の先輩にまでアプローチ?やるね。」

その声に振り返れば月島くんが笑みを浮かべて立っていた。

「行こうか。」

私に背を向け、先を進む月島くんの後を私は小走りで追いかけた。


/ 235ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp