第7章 梅雨。
ふと目が覚める。
横にはすうすうと寝息を立てる月島くん。
枕元の時計は午前4時半を指していた。
わたしはそっと月島くんの隣から抜け出すと脱ぎ散らかした服を1つ1つ身につけた。
そして、玄関に向かい鞄から小さなメモを取り出す。
”帰ります。”
他の文章は浮かばなかった。
書き込めなかった。
そのメモをサイドテーブルに置き、玄関に向かう。
パンプスを履き、ドアノブに手をかける。
『お邪魔しました。』
小声で呟き外に出れば、雨はまだ降り続いていた。
好き。
苦しいくらいに月島くんが好き。
自覚してしまった心が苦しくて
雨に紛れて私は泣いた。
雫と音で
私の涙を、声を消して。
そして、私のこの気持ちも綺麗さっぱり洗い流して。
お願いだから…