第7章 梅雨。
数十分後、灰羽くんが到着する。
「あれ?頼んでてよかったのに。」
そう、私達に言いながら灰羽くんは私の隣に座った。
「食べたあと会計しないで待つの気まずい。」
『じゃあ灰羽くんも来たし、注文しようよ。』
そういうとみんなでメニューを見始める。
がっつり食べたいけど太る…
でも食べたい。
どうしよう…
悩んでいれば、とんとん、机を叩く音。
顔を上げれば月島くんがメニューを指差す。
「これとこれ、どっちがいい?」
月島くんの長い指が差したのはふわふわに焼かれたデニッシュ2種。
1つは生クリームの上にメープル、もう1つは生クリームにミックスベリーソース。
少し悩んでメープルを選ぶと月島くんはへえ…と呟く。
その顔は少しだけ嬉しそう。
「俺もデザート頼むー!」
そう言って指差したのはチョコレートパフェ。
『さっき、これ食べたいって言ってなかった?』
ぱらぱらとページをめくり指差したのはジャガイモの付け合わせののったステーキ。
「うん。食べるよ?」
私と月島くんは顔を見合わせる。
多分私と月島くん、同じ顔をしてる。
なんでそんなに食べれるの…
「え?高校の時なんて部活きつかったから腹減って6食食ってた。」
「6食…」
『凄い…』
「で、2人は何食べるの?」
そう聞かれた私達はそれぞれ食べたいものを指差す。
月島くんはチーズとトマトのパスタ、私は野菜たっぷりのドリア。
それと、さっき言ったデニッシュ。
全員注文するものが決まったことを確認すると、私達は店員さんをベルで呼び注文した。