第7章 梅雨。
終わりが見え、ふうとため息をつく。
「あー…」
目元をぐりぐりとつまみながらデスクに突っ伏す月島くんと椅子の背もたれに寄り掛かり脱力する灰羽くん。
『2人ともお疲れ様。コーヒーいれようか?』
「俺、冷たいのがいい…」
そう言いながら、灰羽くんはネクタイを緩め、1つボタンをはずすとぐいと袖をまくった。
「僕も…」
月島くんも暑いのかしゅるりとネクタイを緩め胸のボタンを2、3個外す。
雨のせいで蒸し暑いのに、節電のために就業後はクーラーが止まってしまったオフィスは蒸し風呂のよう。
2人は気づいてないみたいだけど、汗で体にワイシャツが張り付いていて正直、えっちだ。
『じゃあ自販機で冷たい飲み物買ってくるよ?コーヒーでいい?』
「梢ありがと…」
「椎名サン、よろしく。」
無理矢理目を逸らして私は自販機に飲み物を買いにちょっとだけ早足で部屋を出た。
自販機で自分の分も含め3本コーヒーを買うと私は元来た道を戻った。