第7章 梅雨。
3人で出かけてから1ヶ月と少し。
外は止むことの知らない雨。
「あーあ…また雨か…ワイシャツ乾かないんだよなぁ…」
デスクでぼやいてるのは灰羽くん。
いつもの元気は何処へやら。
べちょーっとパソコンの前に突っ伏している。
「コインランドリーで乾かせば…?」
ため息をつきながら黙々と手元の資料を打ち込んでいるのは月島くん。
「俺もそろそろワイシャツねーや。パンツもねーや。」
「今日中にコインランドリー行ってきてください。明日、今日と同じ下着履いてきたら怒りますよ。」
「うぇーい木兎、明日赤葦に怒られちまえ。」
「さすがに行くってーの!いけなかったらパンツもワイシャツも買うわ!」
コントみたいなやりとりをするのは木兎さんに赤葦さん、黒尾さん。
笑いながら話をしていた黒尾さんはいきなりこっちを向いたかと思えば灰羽くんをつつき始める。
「つーかリエーフ、だらだら机に突っ伏してんじゃねえ。今日提出の書類終わってんのか?」
「あ…」
黒尾さんの言葉を聞いて顔面蒼白な灰羽くん。
わたわたとデスクに散らばる資料を確認した灰羽くんはへにょりと眉毛を八の字に曲げる。
「…黒尾さん…これっていつまででしたっけ…」
「明日朝一で使うやつだからそれまでだな。」
『灰羽くん…進行状況は…?』
灰羽くんは私に資料を見せながら、とんでもない言葉を吐いた。
「ゼロ…まったく…まっさら…」
みんなからため息が漏れたのは言うまでもない。