第6章 GWのお出かけ。
ピンポン。
家のチャイムが鳴る。
『はーい!』
返事をし、玄関に走りドアを開けるとにかり、爽やかな笑顔。
休日の今日はスーツ姿じゃなくて私服姿。
シンプルな白のロゴ入りの半袖のTシャツに黒のサルエルパンツ。グレーのパーカーとモノクロでまとめた姿はいつもより大人っぽい。
「梢、おはよ。」
『灰羽くん、おはよう。ご飯出来てるよ。』
「やった!お邪魔します。」
朝から元気だな、なんて思いながらドアを閉め、振り返れば不意打ちのキス。
「今日の梢、いつもより可愛い。」
『あり…がと。』
少しだけ気合いをいれたメイクを見抜かれ少しだけ頬が熱い。
ごっはんーと歌いながら廊下を進む灰羽くんの後を追いながら私もリビングに進む。
先にリビングにたどり着いた灰羽くんはご飯を見るなり大きい声。
「やったー!おいなりさん!」
『たまには好きなものから朝が始まるのもいいでしょう?』
「梢ありがとー!だいすきー! 」
灰羽くんは私をぎゅっと抱きしめると頬に唇を落とした。
『早く食べないと月島くんとの待ち合わせ遅れちゃうよ?』
そう促し、私と灰羽くんはご飯を食べ始めた。
今日は5月4日。
約束していた3人で出かける日。
いつもより遅い朝食を食べ、準備をすると私と灰羽くんは待ち合わせをしている月島くんの最寄駅に向かった。