第5章 ゴールデンウィークの予定は
トントンと肩を叩かれている気がした。
『も…ちょっと…』
まだ寝ていたい…
肌触りの良い掛布団に体を委ね、もう一眠りしようとするとまた声が聞こえた。
「椎名サン…終電なくなるよ。」
終電…?
ゆっくり意識が浮上する。
目を開ければきらきらひかるきんいろ…
「椎名サン。」
再び呼ばれたことにより、意識がはっきりした。
「…おはよ。」
『おはよ…ございます。』
目の前には月島くん。
少し呆れたような顔。
『今、何時….?』
「11時。シャワーどうする?」
『家で大丈夫。』
「そう…」
床に落ちている服を集め、身に付ける。
髪の毛をシュシュで結び直すと、私はカバンを持つ。
月島くんはソファに座り、携帯に目を向けたまま動かない。
『月島…くん。お邪魔しました。』
そう挨拶すると、1度私に目を向け、そらす。
「気をつけて。」
私は月島くんに背を向け玄関に向かい、パンプスを履き、玄関の扉を開けた。