第14章 旅の終わり。
『「えっ?」』
私とリエーフくんが同時に声を上げた。
『月島くんっ!』
「月島ずるいっ!」
「先にやったもん勝ちデショ?」
そう言うと、月島くんは背中にぺたりと顔を背中に付ける。
「緊張してる?梢。心音早い。」
『そんなこと…ない。』
「梢?」
月島くんが私の名前を呼ぶ。
甘えたような声に、とくん、胸が高鳴る。
『…してる……どきどき…』
うつむいてそう言えば、前から伸びてきた手にくいと顎を上げられる。
「俺にはドキドキする?」
真剣な、それでいて少し焦ったような声。
私はにこり、笑うと少し身を乗り出し唇に触れる。
『してる。いっぱいどきどきしてる。』
『もっとどきどきさせて?もっと2人を好きにさせて?』
そう言えば前から不意打ちのようなキス。
「させてあげる。それで俺のこともっと好きになって?」
背中から回る手に力が入る。
ぎゅっと抱きしめられるとふわり、耳に吹き込まれる声。
「僕のことしか考えられなくしてあげる。」
しゅるり。
バスローブの紐が解かれる。
するりと肩からバスローブが落ちると、2人の手が伸びる。
『愛して。
いっぱい愛して。』
私のことだけ、愛して。