第14章 旅の終わり。
誰かの笑い声がする。
その声にゆっくり瞼を持ち上げれば、目の前には沢山の人!人!人!
『なっ!なんですか⁈』
「やっと起きたか。いやー、お前らバスが止まっても起きねえから、ついついこう…な?」
そう言いながら目の前にいた黒尾さんが自分のスマホの画面を私の眼前に晒す。
そこには仲良く3人でねむりこける私達の写真…写真⁈
『それっ!消してくださいっ‼︎』
スマホを奪い取ろうとすればひょいとかわされみんなはバスから降りていく。
「ちなみに写メったの俺だけじゃねえぞー。」
「俺も激写☆」
と及川さん。
「俺も俺もー!」
と菅原さん。
「寝顔、可愛かったよ。」
と、赤葦さん。
『消してくださーい!』と叫べば、私の声で横の2人の目が覚めたらしくのろのろとバスから降りて行った。
休み明け…恥ずかしくて仕事行けない…
旅行の全日程が終了し、みんなが帰路につく。
それを見ながら私は…いや、私達3人は、雑踏に紛れるようにして話ができる場所に向かった。