第6章 6.素直な気持ちで
カラーン♪
翔くんが帰ったあと思わず顔をテーブルに
バタッとつけてしまった。
「んふふ…緊張したの?」
そこで絶妙な大野さんの発言
緊張したもなんも…私、彼にフラレてる。
それ、大野先輩も知ってるはずじゃ…
「だって知ってた?
フラれたって返事聞いてから言うもんだよ
ちゃん聞かずに卒業じゃん」
『うっ…そ、それは……まぁ…』
だって、聞けなかった。
恐くて、恐くて……怯えてて……
「カナちゃんに、でしょ?」
『え……な、んで……それ』
「オイラは何でも知ってるよ?」
『…………そっか……』
「うん。んだからね?
今回は素直に向き合いな?」
その意味はまだよく分からなかったけど
なぜか胸に強く突き刺さった。